フリースタイルスキー観戦ガイド/ダブルコーク解説

いよいよ開催まで2週間を切ったオリンピック、そのタイミングに合わせトリックの紹介をして行きます◎
今回はビッグエア、スロープスタイル、ハーフパイプでも欠かすことのできない「ダブルコーク」を紹介します。

百聞は一見にしかず、下の動画をご覧ください。

まず左動画の一発目がダブルコーク1080 (3回転=テンエイティー)
三発目が後ろ向き(スイッチ=sw)からのswダブルコーク1260(3回転半=トウェルブシックスティー)

そして右の動画の一発目がダブルコーク1260 (3回転半=トウェルブシックスティー)
二発目がダブルコーク1620(4回転半=シックスティーントゥウェンティー)
となります。

ダブルコークってどんなトリック?

ダブルコークは、コークというトリックを空中で2回連続で繋げて1つのトリックにしたものになります。

え?そもそもコークって??となったかと思いますが、先ほど紹介した左側の動画の2発目のジャンプがコーク540(1回転半=ファイブフォーティー)です。

コークとは回転軸が進行方向後方側に倒れた(ヨレた)回転の事を指すトリックです。体操競技の用に説明するのであれば「後方一回宙返り半ひねり」となりますが、宙返りほどの縦回転をするわけではないので完全に頭が下になるような事はありません。

そんなコークを空中で2回繋げる(2回行う)のでダブルと頭につきダブルコークとなるわけです。
各ダブルの1回転目と2回転目の組み合わせは下記のようなパターンになっています。

ダブルコーク1080(3回転)
540(1回転半)+540(1回転半)
720(2回転)+360(1回転)

ダブルコーク1260(3回転半)
720(2回転)+540(1回転半)

ダブルコーク1440(4回転)
720(2回転)+720(2回転)
1080(3回転)+360(1回転)

ダブルコーク1620(4回転半)
720(2回転)+900(2回転半)
1080(3回転)+540(1回転半)

ダブルコーク1800(5回転)
1080(3回転)+720(2回転)
900(2回転半)+900(2回転半)

ダブルコーク1980(5回転半)
1080(3回転)+900(2回転半)

ダブルコークの大会での評価は?

女子のシーンでは高い評価

まず女子ではビッグエア、スロープスタイルともにメダルを獲得するためにはダブルコークを含むダブル系トリック(空中で2個の技を繋ぐトリック)が必須なってきます。

今大会注目の中国代表のアイリーン・グーは12月のビッグエアのW杯で女子初となるダブルコーク1440をメイクしていますし、スイス代表のマチルダは昨年のX-GAMESで女子初となるSWダブルコーク1440をメイク、そして先日行われた今年のX-GAMESではフランス代表のテスが女子初となるダブルコーク1620をメイクしています。

その他の選手も含めトップ10に入ってくる選手の多くが、ダブルコーク1080やダブルコーク1260を習得しているので、最終的にはグラブや着地、回転コントロールなどの完成度の部分で差を付けるようなジャッジングになると想定しています。

先日のワールドカップでのアイリーン・グーのダブルコーク1080とダブルコーク1440

男子のシーンでは1440以上が求められる

一方男子のシーンでは正直ダブルコーク1080やダブルコーク1260では勝負にならないのが現状です。
ビッグエアに目を向けてみると、表彰台に乗るためにはダブルコーク1800やダブルコーク1980が必要になってきている印象です。後ろ向きでエントリーするswダブルコークでも1620か1800が必須です。

ビッグエアで出来るトリックはスロープスタイルのルーティンに組み込まれる可能性が高いので、ジャンプセクションでは1440(4回転)が最低回転数になるのではないか想定しています。

アメリカ代表アレックス・ホールのswダブルコーク1800とダブルコーク1980

今大会でも間違いなくキーにになるダブルコーク、皆さんも今からトリックに目をならして本番を楽しんでみてください!何度もみると回転数やグラブ、スタイルの違いも見えてくると思います◎