フリースタイルスキー観戦ガイド/ジブトリック解説(レール、ボックス)

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スロープスタイルで絶対に外すことの出来ないジブトリックについて解説して行きます。

まずジブという言葉ですがこれはレールやボックスなど雪以外で作られている人工的なアイテムを指す言葉で、ジブトリックとはレールやボックスで行うトリックの総称になります。

まずは実際のスロープスタイルの映像をご覧ください◎

2021年12月にアメリカで行われたDEW TOUR の予選映像です。

ご覧になってどうでしょうか?スロープスタイルではとにかく色んなタイプのジブアイテムが1つのコースにたくさん設置されているのがご覧いただけたかと思います。

そしてここが面白いところなんですが、選手によって入るアイテムやセクションの組み合わせがバラバラです。

え?使うアイテムはルールで指定されてないの?と感じた方もいるかと思いますが、スロープスタイルでは特に使用するアイテムや組み合わせの指定はありません。そしてトリックの種類や同じトリックでもアイテムが変わると評価が変わるため、ジャンプトリックと比べるとジブトリックは初見で何が評価されているかが分かりづらくなっています。

今回はその辺りを含めどんなものが評価されやすいか、そして逆にどんなものが評価を下げてしまうかに重点をおいて解説して行きます◎

ジブトリックで評価されるパターン①
「スピンオン、スイッチアップ、スピンオフ」

・スピンオン
スピンオンとはジブアイテムに乗るときにスピン(回転)をしながらアイテムに入る事を指します。
進入スピードや角度、回転を正確に回す必要があるため、当然ですが回転なしで入るより難易度が上がります。

・スイッチアップ
スイッチアップはレールの途中でスピンを入れる(乗せ替える)事を指します。最初の動画の1人目、アメリカ代表のコルビー・スティーブンソンが1つ目と2つ目のジブトリックで取り入れていますね。1:02からのスロー再生がより分かりやすいです。

・スピンオフ
ジブアイテムから降りる時にスピンを回すことを指します。
最初の動画でもほとんどの選手がスピンオフを取り入れているのが分かるかと思います。特にスイス代表のファビアン・ボッシュが4:15からやっているトリックはプレッツェルと呼ばれるスピンオフで評価が高くなる傾向にあります。

※プレッツェル=最初の回転をレール上で止め、逆回転のスピンオフをする事。
今回のファビアンの場合は右回転をレール上で止め、左回転のスピンオフをしています。

この3つの要素を組み合わせるとトリックを決める難易度が上がっていくため、結果としてすべての要素が入っているトリックが評価を上げやすくなります。ただし、ジブトリックではジャンプトリックよりもさらに繊細なコントロールが必要になり、難易度を上げるとそれに比例して成功率が下がる傾向にあるのでどこまで難易度を上げるかがポイントになってきます。

ジブトリックで評価されるパターン②
「ビッグアイテムをチョイスする」

ビッグアイテムとは大きなジブアイテムや高いジブアイテム、長いジブアイテム、そしてより遠くへ飛んでジブに入る事を指します。

前項のスピンを増やす事と同様に、そのアイテムに入る事自体にリスクがあるジブトリックはトリック自体がシンプルな物でも高い評価を得ることが可能です。

最初の動画では特にコルビー・スティーブンソンの3つ目のレールでの270オン(3/4回転)が印象的で、トリック自体は270オンと決して難易度の高いトリックではありませんが、レール下部まで飛ぶことでレールの印象をビッグアイテムへと変化させたことにより難易度を上げています。

一方で動画2人目のスウェーデン代表オリワー・マグナッソンは1つ目と3つ目のジブアイテムのチョイスが、相対的に見て一番リスクのないものをチョイスしたように見えてしまいます。少し消極的な印象です。

ジブトリックで評価されるパターン③
「クリエイティブなラインどり」

クリエイティブなラインどりとは、他の選手が選ばないようなジブアイテムの使い方や繋ぎ方を指します。

ファビアンの最初のセクションでのラインどりがこの大会では若干希少なラインどりでした。これはコースのセッティングに左右される事が多いですが、ジブアイテムが横並びで沢山設置されているとクリエイティブなラインどりが多く見られるようになってきます。

ただし1点注意が必要でクリエイティブなラインを選んだつもりでも、みんなが簡単に出来そうな難易度では評価は上がりません。ほかの選手に「そのラインでそのトリックは出来ない」と思わす事ができるかが重要になります。

また、クリエイティブなラインは最初に見つけた選手の特権になる事が多く、後乗りするとすこーし微妙な空気が流れるのも個人的には面白く感じています◎

ジブトリックで評価されないパターン
アーリーオフ

ジブトリックで大きく評価を下げてしまうのがこの「アーリーオフ」です。早くオフ、つまり途中でジブアイテムから落ちてしまう状態ですね。

ジブトリックではしっかりとアイテムに乗っている姿勢を見せる事が非常に重要になります。コルビーの3つ目のアイテムでの270オンが良い例で、回転を止めしっかりとレールに乗っている部分が見て取れます◎

前項のビッグアイテムでも触れたように、長いジブアイテムでトリックしてしっかり通すのが評価されるのはアーリーオフしやすいアイテムだからこそとなってくるわけです。

近年の大会ではジャッジ陣がアーリオフを非常に厳しく見るようになっていて、ほんのすこーしのアーリーオフでも評価がガクッと下がるようになっています。

ジブトリックの見どころ

各選手がどの部分で勝負してくるかがひとつ大きな見どころになると思います。とにかくスピンを多用しテクニカルに見せる選手もいれば、スピンオフで沢山回ったり3D軸を織り交ぜてくる選手も出てくると思います。

女子ではエストニア代表のケリー・シルダルの高難易度トリックの高いメイク率と完成度も注目ですし、そのほかにも中国代表のアイリーン・グースイス代表のマチルダ、同じくスイス代表で前回の金メダリストサラ・ホフェリンもばちばちトリックをやってきます。その他にも450オン(1.25回転)をする選手も多数います。アイテムによっては630オフ(1.75回転)も普通に出ると思います。

男子はもうとにかく色んなトリックが想定できてしまって、書き切れないですね笑
既出のコルビー・スティーブンソン、カナダ代表のマックス・モファットエヴァンアメリカ代表のアレックス・ホールノルウェーのフェルディナンド・ダールなどなど。それぞれの個性が爆発します。

大会観戦を進めて行く中で、皆さんのそれぞれの好みの選手を見つけてみてはいかがでしょうか?

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非常に長くなってしまいましたが観戦の参考になれば幸いです◎
ジャッジングに関して記事もあるのでお時間のある方はそちらもご覧ください。

大会を楽しむ方法/ジャッジングを学ぶ http://freeskiheadz.com/aboutjudging/