フリースキーヤー的ビンディングの取り付け位置
今回はビンディングの取り付け位置について!
スキーをこれから始めようと思っている方には「ビンディングの取り付け位置って重要なの?」と思われている方も多いと思いますが、ビンディングの取り付け位置はスキーの乗り味や使用用途への適性が変わって来る重要なポイントになります。
-目次-
ビンディングの仕組み&基本
ビンディング取り付け位置の基本
ビンディング取り付け位置を変更する
取り付けの注意点
まずはビンディングの仕組みと基本の説明から行きましょう!!
ビンディングの仕組み&基本
フリースキーを購入する場合、基本的にスキーの板は板のみで販売されています。なので当然ですが、スキーの板とスキーブーツだけを買ってもまだスキーは出来ません。
そこでスキーとブーツを繋ぐ道具、ビンディング(取り付け金具)が必要になってきます。そんなビンディングの取り付けの行程は非常にシンプルでスキーの板に穴をあけビンディングをネジでとめるという流れになります。
行程はシンプルなんですが、他者のスキーへのビンディングの取り付け&調節作業は基本的に日本スキー産業振興協会(JSP)が主催するS-B-B認定整備技術者セミナーを受け資格を得た人しかできないようになっています。(こちらのサイトをチェックしてみて下さい https://www.iso11088.com)
何故講習を受ける必要があるかと言うと、現在販売されているほとんどのビンディングが開放式ビンディングといって、一定の負荷がかかった時にスキーが外れる事で怪我や事故のリスクを軽減させる構造を持っているため、ビンディングが正しく動作する(正しく外れる)ように取り付け&調節を行わなくてはいけないからです。
ちなみにスキーショップの店員さんなどセミナーを受講している方はこんな証明書を持っています◎
ただし!転倒した際に一定の負荷がかかると外れるよう設定出来るビンディングですが、怪我の発生は0ではないので注意してください。
そんなビンディングも用途によっていろんなモデルが発売されていますが、パークやゲレンデ内でのパウダーであればマーカーのロイヤルファミリーから選んでもらうと間違いないと思います。
ビンディング取り付けの基本=メーカー推奨位置につける
冒頭で「ビンディングの取り付け位置でスキーの乗り味や使用用途への適性が変わって来る」と言いましたが、ビンディングの取り付け位置はスキーに記されているメーカー推奨位置が基本です。
メーカー推奨位置へビンディングを取り付ける事によってスキー開発時に設定された乗り味や、使用感を感じられるようになっています。
今シーズンのVOLKLのスキーはこんな感じで推奨位置が記されています。
「オススメのブーツセンター」と記されているのに疑問を持った方もいると思いますが、スキーに対してのビンディングの取り付け位置はスキーブーツセンターが基準位置となります。
今シーズンモデルのイルモロID(ダルベロ)のブーツセンターは土踏まずのところにあるAの横の線で記されています。
このブーツセンターのラインをスキーの推奨取り付け位置に合わせた位置でビンディングの取り付けを行うとメーカー推奨位置への取り付けが完了します◎
この基本を踏まえて、自分で取り付け位置を変更して行きましょう!
ビンディング取り付け位置を変更する
さぁここからが本題のビンディング位置の変更です。
パークユーズやパウダーユーズなどスキーヤーの使用頻度の高いシーンに特化させるために取り付け位置を変えて行きます。
取り付け位置を変更する時の基準となる位置なんですが、これは前項で解説した「メーカー推奨位置」ではありません。
僕自身もまわりにいるプロスキーヤーも
「センターから○センチバック」という表現をします。
センターってスキーの一番細いところ?と思う方もいるかと思いますが、フリースキーヤーがビンディング取り付け位置の会話で使用するセンターという言葉は
「スキーの全長の実測値の真ん中」のことを意味します。
フリースキーをメインで扱っていないお店でビンディングを取り付ける時に、「センターから○センチバック」と伝えて取り付けをお願いしたら、双方のセンターの位置の認識がズレていて希望の位置に付かなかった、なんて話を耳にした事もあるので注意が必要です◎
そしてここから、センターを基準とした「スキーのどの位置にビンディングを取り付けるか」を解説していきます!
パーク使用なら前、滑り重視なら後ろ
と言う事でタイトルにあるように
パーク使用なら前
滑り重視なら後ろ
がオーソドックスなビンディング取り付けの目安になります。
ビンディングの取り付け位置は前に来るほど、板を回転させた時のバランスが良くなりエアトリックやジブトリックで回転する時に操作がしやすくなり
取り付け位置が後ろになるほど、ターン後半のテールの抜けがよくなり、パウダーを滑走する場合は浮力が上がります。
おおよその目安ですが
パークユーズであればセンターから3㎝の間
パウダーやフリーランなら3㎝〜6㎝の間
くらいが僕の経験からのおすすめ取り付け位置です。
それぞれの中間である3㎝は非常に万能で、滑りを捨てきれないけどパークをやりたい方や、パウダーの滑走性は少し下げるけどパウダーシーンでもトリックをやりたい人におすすめな取り付け位置になると思います。
ちなみに今の僕の取り付け位置は
パークユーズ(ゲレンデ含む)で1.5㎝バック
パウダー用の板で3㎝バック
にしてます。
なので今使っているスキー(revolt104,revolt95,revolt87)は全て1.5cmバックです◎
要するに全てのスキーをパークで使うようにしてある、と言う事ですね。
「パークのスキーはセンターにビンディングをつける」という価値観もあります。(センターにつける事をドセン、ドセンターと呼称する事もあります)
ただ実際に自分も2シーズンくらいパークの板をセンターに取り付けていましたが、なんとなく1.5㎝下げて見たらスイッチの滑りも安定した感じがしたので、それからはずっと1.5㎝バックで取り付けをお願いしています。
取り付けの注意点
取り付けで一点気をつけてもらいたいのが、これまでの話はあくまでツインチッップスキーでの取り付けの話になります。
REVOLTシリーズはセンター幅の太いモデルでも割と前めに「メーカー推奨位置」が設定されているのに対して、パウダーやフリーランに特化させたのモデルはもともとの「メーカー推奨位置」がセンター割と後ろめに設定されています。今期のVOLKLのラインナップではBLAZEシリーズやALL MTN FREERIDEシリーズあたりがそれにあたります。
パウダーやフリーランに特化させたのモデルでもドセンターにセットすることは出来るかも知れませんが、最近のスキーは軽量化を狙って薄く作られているモデルも多く、適正位置から大きく外したところに取り付けるとビスがスキーを突き抜けて滑走面から飛び出ししまう可能性も高くなります。
自分のやりたい事や滑るフィールドをイメージする
↓
スキーを選ぶ
↓
用途に応じた取り付け位置を決める(スキーに合わせる)
と言う流れを意識してもらえると、大きな失敗は防げるかと思います!
もし僕がBLAZEシリーズを選ぶならパークユーズは切り捨てて滑りメインのスキーセッティングにすると思います。なのでその場合の取り付け位置は「メーカー推奨位置」かメーカー推奨位置からさらに数センチ下げてビンディングの取り付けを行いますね◎
最後に
自由に決めれるからこそ悩ましいビンディングの取り付け位置、ぜひ参考にしてみて下さい。
そして取り付けはS-B-B認定整備技術者セミナーを受講しているお店にお願いしてみて下さい。ちなみにそのお店で買ったスキー、ビンディングなら無料で取り付けてくれるお店がほとんどだと思います◎
プロショップなら取り付け位置の相談にもしっかりと乗ってくれます!